脱炭素エネルギー社会に向けた非連続のイノベーションを実現する技術革新と社会像を提案していくためには、再生可能エネルギーの創出・転換・貯蔵研究に加えて、それらを社会実装するために必須となる半導体・デバイスの研究を併せて推進していくことが極めて重要です。また、昨今のデジタル化・グリーン化の進展により半導体がセキュリティ・カーボンニュートラルのキーパーツになっており、半導体関連の研究の必要性は高まるばかりです。
このような社会のニーズ及び本学の研究戦略に応えるため、全学的な体制で「半導体・デバイスエコシステム研究教育センター」が2024年6月1日に発足しました。本センターにおいては、大学が保有する半導体技術・ノウハウ、クリーンルーム及び半導体プロセス装置群に基づき、半導体研究開発に係るオープンなイノベーションプラットフォームの整備を行う予定です。
また、価値創造型半導体人材育成センターと連携し、半導体に係るハード・ソフト研究・教育の協働を進めていきます。さらに、本センターの活動を進める中で、2035~2040年頃の社会で求められる半導体の創成を目指したエマージングデバイスの中核的研究拠点の形成を図っていく予定です。
シリコン技術は30年後、他の技術に置き換わっているという考えもあるかもしれませんが、今現在、全ての産業に関係し、欠くことができないものになっています。当センターは、この成熟した技術を九大内外の研究者に提供し、他の材料/デバイス技術との融合をもって新しいデバイス開発に役立てることで、最終的には本学がシリコンアイランド九州の開発拠点となることを目標としています。皆様方のご協力とご鞭撻のもと、メンバー一同、精進してまいりたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
九州大学
半導体・デバイスエコシステム研究教育センター長
服部 励治